【配信・VC環境】USBマイク vs XLRマイク、音質と利便性で見るベストな選択

A split-screen comparison. On the left, a person plugs a USB microphone into a laptop. On the right, a more complex setup shows an XLR microphone connected via an XLR cable to an audio interface, which is then connected to a PC

ゲーム実況配信や、仲間とのボイスチャット(VC)。そのクオリティを左右する“超重要”な要素、それが「音質」だ! どんなに面白いトークや神プレイも、声がこもっていたり、ノイズまみれだったりしたら台無しだよね。「自分の“声”をもっとクリアに、もっとカッコよく届けたい!」そのためにマイクを調べると出てくる2種類のマイクが「USBマイク」と「XLRマイク」だ。手軽そうなUSBマイク、プロっぽいXLRマイク…。一体どっちを選べば?と思っている人も多いのではないだろうか。そこで今回は、この2つのマイクシステムの違いを、音質と利便性の観点から徹底的に比較・解説していくぞ!

1. 「USBマイク」とは?:“手軽さ”と“高音質”を両立した“オールインワン”

USBマイクの画像

まずは、その手軽さから多くのストリーマーやゲーマーに愛用されている「USBマイク」から見ていこう。

1-1. 仕組み:マイク、アンプ、A/Dコンバーターが“全部入り”

USBマイクは、その名の通り、USBケーブルで直接PCに接続して使うマイクだ。その本体内部には、音を拾う「マイクカプセル」だけでなく、音を増幅する「マイクプリアンプ」や、アナログ音声信号をデジタルに変換する「オーディオインターフェース(A/Dコンバーター)」の機能がすべて内蔵されている。まさに“オールインワン”なマイクなんだ。

1-2. メリット:“PCに挿すだけ”の圧倒的な手軽さ、コスパの高さ

  • 圧倒的な手軽さ:最大のメリットはこれ! 複雑な機材は一切不要。USBケーブルでPCにブスッと挿すだけで、すぐに高音質な録音環境が手に入る。初心者でも迷うことはない。
  • コストパフォーマンス:マイク以外の機材が不要なため、初期投資を安く抑えられる。1万円~2万円台で、ヘッドセットのマイクとは比べ物にならないほど高音質なモデルが手に入る。
  • 省スペース:マイク本体とスタンドだけで済むので、デスク周りがスッキリする。

1-3. デメリット:拡張性の低さ、ノイズ問題の可能性

  • 拡張性の低さ:基本的に「マイク1本」で完結しているため、後からマイクだけを交換したり、複数のマイクを同時に使ったりすることは難しい。音質のアップグレード=本体の買い替えとなる。
  • PCノイズの影響:PC内部でアナログからデジタルへの変換を行うため、PC内部の電気的なノイズ(グラボや電源から発生するノイズ)を拾ってしまう可能性が、XLRシステムに比べると高い。とはいえ、歌手とかならともかく、普通の使い方ならほとんど気にならないレベルのものだ。
  • 複数入力の難しさ:複数のUSBマイクを1台のPCで同時に認識させ、別々のトラックとして扱うのは、設定が非常に複雑になるか、ほぼ不可能。

2. 「XLRマイク」システムとは?:“プロ”が選ぶ“本格派”サウンド

XLRマイクとオーディオインターフェイス

次に、音楽スタジオや放送局など、プロの現場で標準的に使われている「XLRマイク」システムを見ていこう。

2-1. 仕組み:マイク → XLRケーブル → オーディオインターフェース → PC

XLRマイクは、単体ではPCに接続できない。以下の機材を組み合わせて一つのシステムとして機能させる。

  • XLRマイク本体:音を拾うことに特化した、純粋なアナログマイク。
  • XLRケーブル:マイクとオーディオインターフェースを接続する、ノイズに強い専用ケーブル。
  • オーディオインターフェース:マイクからのアナログ信号を受け取り、増幅し、高品質なデジタル信号に変換してPCに送る“司令塔”。マイクプリアンプやA/Dコンバーターの役割を担う。

2-2. メリット:“圧倒的”な高音質、ノイズ耐性、高い拡張性

  • 圧倒的な高音質:専用の高品質なマイクプリアンプやA/Dコンバーターを持つオーディオインターフェースを使うため、非常にクリアで解像度の高いサウンドが得られる。USBマイクよりも音質の“天井”が高い。
  • 高いノイズ耐性:アナログ信号はPCの外部でデジタルに変換されるため、PC内部の電気的ノイズの影響をほとんど受けない。また、XLRケーブル自体もノイズに強い構造(バランス接続)になっている。
  • 高い拡張性:マイク、オーディオインターフェースをそれぞれ独立してアップグレードできる。「もっと良い音にしたくなったら、まずはマイクだけ買い替える」といったことが可能。
  • 複数入力:2つ以上の入力端子を持つオーディオインターフェースを使えば、複数のマイクや楽器を同時にPCに入力し、個別にコントロールできる。

2-3. デメリット:機材が多く複雑、コストがかかる

  • 複雑さと設置スペース:マイク、ケーブル、オーディオインターフェースと、複数の機材が必要になるため、接続がやや複雑になり、デスク上の設置スペースも必要。
  • コスト:マイクとオーディオインターフェースをそれぞれ購入する必要があるため、USBマイクと比べて初期投資が高くなる。
  • 知識が必要:ゲイン調整(入力音量の調整)など、ある程度の音響機材に関する知識が必要となる。

3. 【ガチンコ対決!】USBマイク vs XLRマイク、5つのポイントで徹底比較

ポイント USBマイク XLRマイクシステム 勝者
① 音質 高品質なモデルも多いが、天井は低め よりクリアで高解像度。天井が高い XLR
② ノイズ耐性 PCノイズを比較的受けやすい ノイズに非常に強い XLR
③ 利便性・手軽さ PCに挿すだけ。圧倒的に手軽 機材が多く、設定も必要 USB
④ 拡張性・将来性 ほぼ無し。本体買い替えが基本 パーツごとにアップグレード可能 XLR
⑤ コスト 初期投資が安い 機材一式で高価になりがち USB

4. 【結論】結局、どっちを買えばいいの?

「USBマイク」がおすすめな人

  • とにかく手軽に、今すぐ高音質な環境を整えたい!
  • 難しい設定は苦手。PCに挿すだけで使いたい初心者。
  • 予算は1~2万円程度に抑えたい。
  • デスク周りはスッキリさせたい。
  • 将来的な機材のアップグレードは今のところ考えていない。

「XLRマイク」を選ぶべき人

  • 音質に一切の妥協をしたくない! プロレベルのサウンドを目指したい。
  • PCのファンノイズなど、環境ノイズに悩まされている。
  • 将来的に、マイクや機材をステップアップさせていく楽しみを味わいたい。
  • ゲストを呼んでの対談配信など、複数のマイクを同時に使いたい。
  • 初期投資(3万円以上~)をかける覚悟がある。

5. 【鉄板構成】おすすめマイクシステム紹介

じゃあ具体的に、どんな製品を選べばいいのか? それぞれの“鉄板”構成を紹介しよう。

5-1. 【USBマイク編】“これ1本”で完結! おすすめモデル

Elgato Wave:3
  • 特徴:配信者向けに特化した機能が満載! 専用ソフト「Wave Link」でゲーム音やBGM、VC音声を個別に音量調整できる“仮想ミキサー”機能が神。入力音が大きすぎると自動で音量を下げる「Clipguard」機能も便利。

Rode NT-USB+
  • 特徴:プロ向けマイクメーカーRodeが手掛ける、スタジオ品質のUSBマイク。非常にクリアで自然な音質に定評がある。余計な機能は削ぎ落とし、“音の良さ”に全振りしたモデル。

HyperX QuadCast S
  • 特徴:4つの指向性パターンを切り替えられ、一人での配信から対談、複数人での収録まで対応できる多機能性が魅力。タップでミュートできる機能や、美しいRGBライティングもゲーマー心をくすぐる。

5-2. 【XLRシステム編】“プロの音”への第一歩! おすすめ組み合わせ

XLRシステムは「マイク」と「オーディオインターフェース」の組み合わせが重要だ。

高コスパで始める! XLR入門セット

マイク:audio-technica AT2020 (XLR) + インターフェース:Steinberg UR22C

  • 特徴:コンデンサーマイクの入門機として絶大な人気を誇る「AT2020」のXLR版。価格を抑えつつ、クリアで繊細な音を拾える。インターフェースは、YAMAHAの技術が投入されたSteinbergの定番モデル。安定した動作と堅牢な作りが魅力。

 

コスパと性能の両立! 本格派へのステップアップセット

マイク:Rode Procaster + インターフェース:Focusrite Scarlett 2i2

  • 特徴:SM7Bと同様、放送品質のダイナミックマイク「Procaster」。クリアで力強いサウンドが特徴。インターフェースは、世界中のDTMerに愛用される「Scarlett」シリーズ。安定性と使いやすさ、そしてコストのバランスが絶妙。

 

定番中の定番! プロ配信者御用達セット

マイク:SHURE SM7B + インターフェース:MOTU M2

  • 特徴:多くのプロ配信者やミュージシャンが愛用するダイナミックマイク「SM7B」。環境ノイズを拾いにくく、声に太さと温かみを与えてくれる。それを駆動するのが、高品位なプリアンプとクリアな音質で評価の高い「MOTU M2」。まさに“鉄板”の組み合わせ。

 

6. まとめ:“声”は君の“武器”だ! 最適なマイクで“最高の音質”を手に入れろ

USBマイクとXLRマイク、それぞれ優れた点があるが、一般に、手軽さとコストを重視するならUSBマイク、最高の音質と将来性を求めるならXLRマイクシステムがおすすめとなってくる。重要なのは、自分の目的や予算、そして「どれだけ音にこだわりたいか」を明確にすることだ。声は、リスナーや仲間と繋がるための最も重要な“武器”であり“個性”だ。この記事を参考に、最適なマイクシステムを手に入れて、配信やVCをさらに楽しんでくれ!