【Anker徹底活用】Anker製品で見る充電規格「PD」「QC」の違いと正しい充電器・ケーブルの選び方

Ankerの製品がたくさんならんだ写真

スマートフォン、ノートPC、タブレット、ワイヤレスイヤホン…。「ああ、また充電が切れそう!」と、慌てて充電器に繋ぐ毎日を送っている人も多いんじゃないだろうか? そんな時、頼りになるのが「急速充電」だ。そして、その急速充電の世界で、絶大な人気と信頼を誇るのが「Anker」の製品。でも、Ankerの充電器やケーブルのパッケージを見ると、「PD対応」「QC対応」「PowerIQ 3.0」…など、なんだかよく分からない言葉が並んでいる。「とりあえずAnkerなら速いんでしょ?」と思考停止で選んでしまうと、実は“最速”の充電ができていない、なんていう罠にハマっているかもしれない。そこで今回は、そんな急速充電の2大規格である「USB PD」と「Quick Charge (QC)」の違いと、後悔しない充電器・ケーブルの選び方を徹底的に解説していくぜ!

1. なぜ「急速充電」が必要なのか?:スマホもPCも“大食い”な時代

ラップトップとスマホの横に充電器が置いてある

昔の携帯電話は、一度充電すれば数日間使えたものだ。しかし、現代のスマートフォンやノートPCは、高性能なCPU、大画面ディスプレイ、大容量バッテリーを搭載し、非常に多くの電力を消費する“大食い”さんだ。これを従来の遅い充電器で充電しようとすると、何時間もかかってしまう。だからこそ、短い時間で多くの電力を供給できる「急速充電」技術が不可欠になっているんだ。

2. 急速充電の“二大巨頭”:「USB PD」と「Quick Charge (QC)」

急速充電中のandroid

その急速充電の世界には、様々な規格が存在するが、特に重要なのが、これから紹介する2つの規格だ。

2-1. USB PD (Power Delivery):USB-C時代の“新標準”

特徴:USB Implementers Forumという標準化団体が策定した、USB Type-C端子専用の充電規格。

パワー:最大で240W(USB PD 3.1 EPR)という非常に大きな電力を供給でき、スマートフォンから高性能なノートPCまで、幅広いデバイスを充電できる。

対応デバイス:iPhone、iPad、MacBook、多くのAndroidスマートフォン、WindowsノートPC、Nintendo Switchなど、メーカーを問わず広く採用されている、まさに“現代の標準”。

2-2. Quick Charge (QC):Androidスマホで普及した“古豪”

特徴:スマートフォンのCPUで有名なQualcomm社が開発した急速充電規格。

パワー:バージョンによって異なるが、PDに比べると供給できる電力は比較的小さめ(最大100W程度)。

対応デバイス:主に、Qualcomm社のSnapdragonというCPUを搭載したAndroidスマートフォンで広く採用されてきた。しかし、最近は供給電力や対応製品の数で勝るPDにおされてきている。

3. 【本題】PDとQC、何が“違う”? Anker製品で見る“見分け方”

じゃあ、この2つの規格、具体的に何が違うのか? Ankerの製品ラインナップを見ると、その違いがよく分かる。

ポイント USB PD (Power Delivery) Quick Charge (QC)
主な端子形状 USB Type-C USB Type-A (一部Cも)
最大電力 非常に高い (最大240W) 比較的低い (最大100W程度)
主な対応機器 iPhone, MacBook, Android, PC, ゲーム機など 主にAndroidスマホ
策定団体 USB-IF (標準化団体) Qualcomm (企業)

3-1. 端子の形:PDは“USB-C”、QCは“USB-A”が主流

最も分かりやすい見分け方が、充電器のポート(差し込み口)の形だ。

USB PDは、USB-Cポートからのみ電力供給される。Anker製品でも、「USB-Cポート」と書かれているものは、基本的にPD対応と考えて良い。

Quick Chargeは、伝統的にUSB-Aポート(長方形の、昔からあるUSBポート)で対応してきた。Anker製品でも、「USB-Aポート」と書かれているものの多くがQCに対応している。

3-2. パワー (W数):PDは“最大240W”まで、QCは比較的“控えめ”

PDはノートPCの充電も想定しているため、20W, 30W, 45W, 65W, 100W… と、非常に幅広い出力の製品がある。一方、QCはスマホ充電がメインだったため、18Wなどの出力が主流だ。

3-3. 対応デバイス:PDは“万能”、QCは“Android中心”

iPhoneは、8以降のモデルがUSB PDに対応している(QCには非対応)。またMacBookや多くのWindowsノートPCも、USB PDでの充電に対応している。

対してAndroidスマホは、QC対応の機種とPD対応の機種、そして両方に対応する機種がある。しかし、最近のモデルは、PDとQC、もしくはPDのみ対応が主流になりつつあるため、PDのもののほうが汎用性は高い。

3-4. Ankerの技術:PowerIQ 3.0 (Gen2) = PDとQCの“いいとこ取り”

ここで登場するのが、Anker独自の充電技術「PowerIQ 3.0 (Gen2)」だ。これは、USB PD規格に準拠しつつ、Quick Chargeなどの他社規格との互換性も持たせた、まさに“いいとこ取り”の技術なんだ! AnkerのUSB-Cポートにこの表記があれば、iPhoneやMacBookをPDで最速充電できるのはもちろん、QC対応のAndroidスマホを接続しても、その機器に合った最適な急速充電を行ってくれる。これぞAnkerが支持される理由の一つだね!

4. Anker製品で学ぶ!“後悔しない”充電器・ケーブル選びの“鉄則”

じゃあ、実際にAnker製品を選ぶ時、どうすればいいのか? 以下の3ステップで考えるのがおすすめだ。

4-1. STEP1:充電したい“デバイス”を確認する

まず、その充電器で充電したいメインのデバイスは何か、 そしてそのデバイスが「どの充電規格」に「何ワット(W)まで」対応しているかを確認しよう。ネットで「[機種名] 充電規格」などと検索すれば、すぐに見つかるはずだ。

4-2. STEP2:充電器を選ぶ

Ankerの製品がたくさんならんだ写真2つめ

デバイスの要求スペックが分かったら、それに合う充電器を選ぼう。基本は「デバイスが必要とするW数以上の出力を持つ充電器」を選ぶことだ。(まさに大は小を兼ねる!)

4-2-1. 【iPhone/MacBook/最新Androidなら】Anker Nano II / 3-Series (GaNPrime)

特徴: USB PDに完全対応し、Ankerの最新技術「GaN (窒化ガリウム)」を採用した小型・高出力モデル。30W, 45W, 65Wなど、必要なW数に合わせて選べる。迷ったら、これらの中から選ぶのが“正解”。

 

 

4-2-2. 【複数台同時充電なら】Anker 735 Charger (GaNPrime 65W)

特徴: 複数のUSB-CポートとUSB-Aポートを備え、PCとスマホを同時に急速充電できる。PowerIQ 4.0が接続された機器に最適な電力を自動で分配してくれる賢い奴だ。

4-2-3. 【QC対応の古いAndroidも充電するなら】PowerIQ 3.0 (Gen2)搭載モデル

特徴: 前述の通り、PDとQCの両方に対応。家族がQCのみ対応のスマホを持っている場合など、これ一台あれば安心。

4-3. STEP3:ケーブルを選ぶ

白いUSB-Aケーブル

意外と見落としがちなのがケーブル! 充電器が高性能でも、ケーブルが対応していなければ意味がないぞ。

4-3-1. 【PD充電の“必須アイテム”】Anker PowerLine III Flow USB-C & USB-C ケーブル

特徴: PD充電の基本は、両端がUSB-Cのケーブル。このシリーズは、シリコン素材で絡まりにくく、手触りも最高。人気商品なだけあり、カラーバリエーションが多数あるのもありがたい。

4-3-2. 【iPhone用】Anker 541 エコフレンドリー USB-C & ライトニングケーブル

特徴: iPhone 14以前のモデルをPD充電するなら、Lightning端子がついているケーブルが必要だ。このケーブルはエコフレンドリーを謳うだけあり、植物由来の素材を使っているのも嬉しいポイント。ちなみに、同じ素材を使ったUSB-C & USB-Cのケーブルもある。

 

4-3-3. 【QC用】Anker PowerLine III USB-A & USB-C ケーブル

特徴: QC対応の充電器(USB-Aポート)と、USB-C端子のAndroidスマホを繋ぐための定番ケーブル。

4-4. 【要注意】ケーブルの“W数”対応も忘れずにチェック!

特に60Wを超える高出力で充電する場合、ケーブル自体も100W対応などの高出力対応モデルを選ぶ必要がある。ケーブルのパッケージや仕様欄を必ず確認しよう。

5. Ankerが採用する“独自技術”:GaN (窒化ガリウム) とは?

最近のAnkerの充電器でよく見る「GaN」や「GaNPrime」という言葉。これは、充電器内部の素材に、従来のシリコンに代わって「窒化ガリウム(GaN)」という新しい半導体素材を使っていることを意味する。GaNは電力効率が高く、発熱が少ないため、充電器を劇的に小型化できる。同じ出力でも、昔の充電器よりずっとコンパクトなのは、このGaN技術のおかげだ。

6. まとめ:Anker製品で“スマート”な充電を! “規格”を理解して“最適”な環境を

急速充電の世界は、一見複雑に見えるかもしれない。しかし、ポイントは意外とシンプルで、

  • 新しいデバイス(iPhone, MacBook, 最新Android, PC…)なら、基本は「USB PD」対応の充電器と「USB-C to C(またはLightning)」ケーブルを選ぶ。
  • 古いAndroidも充電するなら、Ankerの「PowerIQ 3.0 (Gen2)」対応モデルが万能。
  • 充電器のW数は、充電したいデバイスが必要とするW数以上のものを選ぶ。

この3つを押さえておけば、もう充電器選びで失敗することはないだろう。Ankerの豊富なラインナップの中から、デバイスとライフスタイルに“ピッタリ”の製品を見つけて、ストレスフリーな充電環境を手に入れてくれ!