仮想通貨(暗号資産)について調べていると、「ERC-20」という言葉を目にすることが多いだろう。しかし、「ERC-20」が一体何なのか、よく分からないという人もいるのではないだろうか。今回は、この「ERC-20」について、初心者にも分かりやすく解説していくぞ!
- 1. 「ERC-20」とは?:イーサリアムブロックチェーン上の“統一規格”
- 2. 「ERC-20」規格の“中身”:どんなルールがある?
- 3. 「ERC-20」トークンのメリット:なぜ“広く”使われる?
- 4. 「ERC-20」トークンのデメリットと注意点
- 5. 「ERC-20」トークンの例:どんなトークンがある?
- 6. 「ERC-20」以外のトークン規格:ERC-721、ERC-1155…
- 7. まとめ:「ERC-20」は仮想通貨の“基盤”! 今後の動向にも“注目”
1. 「ERC-20」とは?:イーサリアムブロックチェーン上の“統一規格”
「ERC-20」は、イーサリアム(Ethereum)のブロックチェーン上で発行されるトークンの標準規格だ。
1-1. イーサリアム(Ethereum)とは?:スマートコントラクトが特徴
イーサリアムは、ビットコインに次ぐ時価総額を持つ仮想通貨であり、分散型アプリケーション(DApps)やスマートコントラクトを構築するためのプラットフォームとしても利用されている。
1-2. トークンとは?:ブロックチェーン上で発行される“デジタル資産”
トークンとは、ブロックチェーン上で発行されるデジタル資産のことだ。仮想通貨もトークンの一種だが、ERC-20トークンは、イーサリアムのブロックチェーン上で発行される独自のトークンを指す。
1-3. スマートコントラクトとは?:契約を“自動実行”するプログラム
スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で動作するプログラムで、契約の条件や実行を自動化できる。ERC-20トークンは、スマートコントラクトを利用して発行・管理される。
2. 「ERC-20」規格の“中身”:どんなルールがある?
「ERC-20」規格は、トークンが持つべき機能や、それらの機能を実装するためのルールを定めている。
2-1. 必須関数:totalSupply、balanceOf、transferなど
ERC-20規格では、トークンが必ず実装すべき関数(function)が定められている。関数には、例えば以下のようなものがある。
- totalSupply(): トークンの総発行量を返す。
- balanceOf(address _owner): 特定のアドレスが保有するトークン量を返す。
- transfer(address _to, uint256 _value): 指定されたアドレスにトークンを送金する。
- transferFrom(address _from, address _to, uint256 _value): あるアドレスから別のアドレスへ、承認された量のトークンを送金する。
- approve(address _spender, uint256 _value): 特定のアドレスに対して、指定された量のトークンを送金することを承認する。
- allowance(address _owner, address _spender): あるアドレスから別のアドレスへ送金が承認されているトークン量を返す。
2-2. オプション関数:name、symbol、decimals
ERC-20規格には、オプションとして実装できる関数もある。
- name(): トークンの名前を返す。
- symbol(): トークンのシンボル(略称)を返す。
- decimals(): トークンの小数点以下の桁数を返す。
2-3. イベント:Transfer、Approval
ERC-20規格では、特定の操作が行われた際に発生させるべきイベントも定められている。
- Transfer: トークンが送金された際に発生する。
- Approval: トークンの送金が承認された際に発生する。
3. 「ERC-20」トークンのメリット:なぜ“広く”使われる?
ERC-20規格が広く採用されている理由は、以下のようなメリットがあるからだ。
3-1. 互換性:様々なウォレットや取引所で“共通”して扱える
ERC-20規格に準拠したトークンは、規格に準拠したウォレットや取引所で共通して扱うことができる。これにより、ユーザーは、様々なサービスで同じトークンを利用できる。
3-2. 開発のしやすさ:標準化された規格で“効率的”に開発
ERC-20規格は、トークンの機能やインターフェースが標準化されているため、開発者は効率的にトークンを開発できる。
3-3. 流動性:多くの取引所で“取引”されやすい
ERC-20トークンは、多くの仮想通貨取引所で取り扱われているため、流動性が高くなりやすい。
4. 「ERC-20」トークンのデメリットと注意点
ERC-20トークンには、以下のようなデメリットや注意点もある。
4-1. イーサリアムのスケーラビリティ問題:手数料(ガス代)高騰
イーサリアムのネットワークが混雑すると、取引手数料が高騰する場合がある。
4-2. 詐欺トークン:価値のないトークンに“注意”
ERC-20規格は誰でも自由にトークンを発行できるため、中には詐欺目的で発行された価値のないトークンも存在する。こうしたコインは「ミームコイン」や「草コイン」などと呼ばれるが、手を出さないでおくに越したことは無い。
4-3. 送金ミス:アドレス間違いで“資産喪失”の可能性
仮想通貨の送金は、アドレスを間違えると、トークンを失ってしまう可能性がある。送金時には、アドレスを十分に確認する必要がある。
5. 「ERC-20」トークンの例:どんなトークンがある?
ERC-20規格に準拠したトークンは、数多く存在する。
5-1. USDT(テザー):米ドルにペッグされたステーブルコイン
USDTは、米ドルと価格が連動するように設計されたステーブルコインだ。
5-2. USDC(USDコイン):米ドルにペッグされたステーブルコイン
USDCも、米ドルと価格が連動するように設計されたステーブルコインだ。
5-3. LINK(チェーンリンク):分散型オラクルネットワーク
LINKは、Chainlinkという分散型オラクルネットワークで使用されるトークンだ。
5-4. BAT(Basic Attention Token):Braveブラウザのトークン
BATは、Braveブラウザで利用されるトークンだ。
https://yorozulog.hatenablog.com/entry/what_is_bat_in_brave_browser
6. 「ERC-20」以外のトークン規格:ERC-721、ERC-1155…
イーサリアムには、ERC-20以外にも、様々なトークン規格が存在する。
- ERC-721:非代替性トークン(NFT)の規格。
- ERC-1155:複数のトークンをまとめて管理できる規格。
7. まとめ:「ERC-20」は仮想通貨の“基盤”! 今後の動向にも“注目”
「ERC-20」は、イーサリアムブロックチェーン上でトークンを発行するための標準規格であり、仮想通貨の世界で広く利用されている。その互換性、開発のしやすさ、流動性の高さから、多くのトークンがERC-20規格を採用している。「ERC-20」は、仮想通貨の“基盤”とも言える重要な規格であり、今後の動向にも注目だ!