文書作成、表計算、プレゼン資料の作成……。ビジネスシーンに欠かせないオフィスソフトといえば、Microsoft Officeが“定番”だろう。しかし、近年、その牙城を脅かす存在として注目を集めているのが「WPS Office」だ。今回は、この「WPS Office」の機能や特徴、メリット・デメリットなどを徹底解説し、その実力に迫る。
- 1. 「WPS Office」とは?:中国Kingsoftが放つ、Office互換ソフトの“刺客”
- 2. 「WPS Office」の“ここがスゴイ”:無償版と有償版の違いを徹底比較
- 3. 「WPS Office」の“ここが惜しい”:導入前に知っておきたい注意点
- 4. 「WPS Office」はどんな人にオススメ? “Microsoft Office”との賢い使い分け術
- 5. 「WPS Office」の導入方法:ダウンロードからインストールまで
- 6. 「WPS Office」の将来性:日本市場での“シェア拡大”なるか?
- 7. まとめ:「WPS Office」は“代替”から“共存”へ、オフィスソフトの新時代を拓く
1. 「WPS Office」とは?:中国Kingsoftが放つ、Office互換ソフトの“刺客”
1-1. 開発元は中国Kingsoft:日本法人は“あの”トレンドマイクロ出身者が設立
「WPS Office」は、中国のKingsoft(金山軟件)が開発するオフィススイートソフトだ。日本では、キングソフト株式会社が販売・サポートを行っている。ちなみに、このキングソフト株式会社、実はトレンドマイクロの元社長である翁永飆氏が設立した会社だったりする。
1-2. 充実のラインナップ:Writer、Spreadsheets、Presentation、PDFの4製品
「WPS Office」は、以下の4つのアプリケーションで構成されている。
- Writer(ワープロ):Microsoft Wordに相当
- Spreadsheets(表計算):Microsoft Excelに相当
- Presentation(プレゼンテーション):Microsoft PowerPointに相当
- PDF(PDF閲覧・編集): PDFファイルの閲覧やコメントの追加,変換を行う.
いずれも、Microsoft Officeとの高い互換性を備え、Microsoft Officeユーザーでも“違和感なく”使えるように設計されている。
1-3. 高い互換性が“最大の武器”:Microsoft Officeと“遜色ない”使い心地
「WPS Office」の最大の強みは、Microsoft Officeとの高い互換性だ。拡張子が.docx、.xlsx、.pptxのファイル形式をサポートしているため、Microsoft Officeで作成したファイルをそのまま開いて編集できる。また、インターフェースもMicrosoft Officeに似ているため、操作に迷うことも少ないだろう。
2. 「WPS Office」の“ここがスゴイ”:無償版と有償版の違いを徹底比較
「WPS Office」には、無償版と有償版の「WPS Office 2」が用意されている。
2-1. 無償版でも“十分使える”!? ビジネスシーンでも活用可能
無償版の「WPS Office」でも、基本的な文書作成、表計算、プレゼン資料作成は問題なく行える。広告が表示される、一部機能が制限される、といった制約はあるものの、個人利用であれば十分“実用的”と言えるだろう。ビジネスシーンでも、簡単な資料作成などであれば、無償版で対応できるケースも多い。
2-2. 有償版「WPS Office 2」は“より高機能”に
有償版の「WPS Office 2」では、無償版の機能に加えて、以下のようなメリットがある。
- 広告非表示で“集中力アップ”:作業の妨げとなる広告が表示されなくなる。
- 複数デバイスで利用可能:Windows PC、スマートフォン、タブレットなど、複数のデバイスで利用できる。
- PDF編集機能が“フル”で使える:PDFファイルのテキストや画像の直接編集、PDFファイルへの変換など、高度なPDF編集機能が利用できる。
2-3. 多彩なエディション展開:“用途”や“予算”で選べる
有償版の「WPS Office 2」には、複数のエディションが用意されている。以下はその一例だ。
- Standard Edition: Writer, Spreadsheets, Presentation
- Platinum Edition: Writer, Spreadsheets, Presentationに加え,マクロにも対応した高機能版
- Personal Edition: 1ユーザーで使う場合に適したエディション
- Business Edition: 複数人・企業で使う場合に適したエディション
ニーズに合わせて、最適なエディションを選べるのも「WPS Office 2」の魅力だ。
2-4. クラウドストレージ「WPS Cloud」で“データ共有”も“ラクラク”
「WPS Office」は、専用のクラウドストレージ「WPS Cloud」を提供している。これにより、ファイルの保存や共有、複数デバイス間でのデータ同期などが“簡単”に行える。
3. 「WPS Office」の“ここが惜しい”:導入前に知っておきたい注意点
3-1. マクロの互換性は“完璧ではない”
「WPS Office」はMicrosoft Officeとの高い互換性を謳っているが、マクロに関しては、完全に互換性があるわけではない。特に、VBA(Visual Basic for Applications)で作成された複雑なマクロは、正常に動作しない可能性がある。マクロを多用するユーザーは、“注意が必要”だ。
3-2. 一部機能は“有償版限定”
広告の非表示や、複数デバイスでの利用、高度なPDF編集機能などは、有償版の「WPS Office 2」でのみ利用可能だ。無償版で“すべての機能”を使えるわけではない、ということは“肝に銘じて”おこう。
3-3. オンライン版は“機能が限定的”
「WPS Office」には、Webブラウザ上で利用できるオンライン版も用意されている。しかし、インストール版と比べると、利用できる機能が限られている。
4. 「WPS Office」はどんな人にオススメ? “Microsoft Office”との賢い使い分け術
4-1. コストを抑えたい個人ユーザー
Microsoft Officeは高価なソフトウェアだ。「WPS Office」の無償版であれば、コストをかけずにオフィスソフトを利用できる。特に、文書作成や表計算などの基本的な用途であれば、無償版でも十分対応可能だ。
4-2. 高度な編集機能が不要なビジネスユーザー
「WPS Office」は、ビジネスシーンでも活用できる。ただし、マクロの利用など、高度な編集機能が必要な場合は、Microsoft Officeの方が適しているケースもある。
4-3. 複数人でのファイル共有を重視するチーム
「WPS Office」のクラウドストレージ「WPS Cloud」を活用すれば、複数人でのファイル共有や共同編集が“スムーズ”に行える。チームでの作業効率を向上させたい場合に“有効”だ。
4-4. Microsoft Officeと併用する“ハイブリッド”運用も
「WPS Office」は、Microsoft Officeとの併用も可能だ。例えば、基本的な作業は「WPS Office」で行い、マクロの編集などが必要な場合のみMicrosoft Officeを使う、といった“ハイブリッド”な運用も考えられる。
5. 「WPS Office」の導入方法:ダウンロードからインストールまで
「WPS Office」の導入は簡単だ。
5-1. 公式サイトからインストーラーをダウンロード
まずは、キングソフトの公式サイトにアクセスし、「WPS Office」のインストーラーをダウンロードしよう。
5-2. インストーラーを実行してインストール
ダウンロードしたインストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストールを進めよう。
6. 「WPS Office」の将来性:日本市場での“シェア拡大”なるか?
Microsoft Officeが圧倒的なシェアを誇る日本のオフィスソフト市場だが、近年、「WPS Office」の存在感は増してきている。特に、コストパフォーマンスの高さや、クラウド連携の強化などが評価されており、今後、さらなるシェア拡大も期待される。
「WPS Office、使ってみた」系のレビューも、ネット上で増加傾向にある。今後、ユーザーの“生の声”が、製品の進化を後押しするかもしれない。
7. まとめ:「WPS Office」は“代替”から“共存”へ、オフィスソフトの新時代を拓く
「WPS Office」は、Microsoft Officeの“単なる代替品”ではなく、独自の進化を遂げつつあるオフィススイートだ。高い互換性、無償版でも十分な機能、クラウド連携など、その魅力は多い。Microsoft Officeとの“賢い使い分け”によって、あなたのビジネスシーンを、より効率的で快適なものにしてくれるだろう。「WPS Office」が、オフィスソフトの“新たなスタンダード”となる日も、そう遠くないかもしれない。
「WPS Office」が、オフィスソフト市場に“新風”を吹き込むのか、今後の動向から目が離せない!