【Switch2にも搭載!?】次世代のストレージ規格「UFS」とは? eMMCとの違い、バージョン、将来性を詳しく解説

モバイルデバイスを使う人々

スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスは、私たちの生活に欠かせない存在となっている。これらのデバイスの性能を左右する重要な要素の一つが、内蔵ストレージの規格だ。従来、モバイルデバイスのストレージ規格としては、eMMC(embedded Multi Media Card)が主流だった。しかし、eMMCは転送速度や消費電力の面で限界が見え始めており、より高性能なストレージ規格が求められるようになった。そこで登場したのが、「UFS(Universal Flash Storage)」だ! 今回は、この「UFS」について、その仕組みやeMMCとの違い、バージョン、将来性などを詳しく解説していくぞ!

1. UFS(Universal Flash Storage)とは?:JEDECが策定した“次世代”ストレージ規格

UFS4.0ストレージのイメージ

UFS(Universal Flash Storage)は、JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)が策定した、組み込みシステム向けのストレージ規格だ。

1-1. 組み込みシステム向け:スマホ、タブレット、デジタルカメラ…

UFSは、主にスマートフォン、タブレット、デジタルカメラ、ビデオカメラなどの、小型で高速なデータ転送が求められる組み込みシステムでの利用を想定して開発された。

1-2. シリアルインターフェース:高速データ転送を実現

UFSは、シリアルインターフェースを採用することで、従来のeMMCよりも高速なデータ転送を実現している。

1-3. フルデュプレックス:読み書きの同時実行が可能

UFSは、フルデュプレックス(全二重)通信に対応しており、データの読み込みと書き込みを同時に行うことができる。これにより、処理の効率が向上する。

2. UFS vs eMMC:何が違う? “性能差”を比較

UFSとeMMCの主な違いは、以下の通りだ。

2-1. インターフェース:パラレル vs シリアル

  • eMMC:パラレルインターフェースを採用。複数のデータ線を使い、同時にデータを送受信する。
  • UFS:シリアルインターフェースを採用。1本のデータ線で高速にデータを送受信する。

2-2. 転送速度:UFSが“圧倒的”に高速

UFSは、eMMCよりもはるかに高速なデータ転送が可能だ。

2-3. 消費電力:UFSはより“省電力”

UFSは、eMMCよりも省電力性に優れている。

2-4. コマンドキューイング:複数の命令を“効率的”に処理

UFSは、コマンドキューイングに対応しており、複数の命令(コマンド)を効率的に処理できる。

3. UFSのバージョン:進化の“歴史”と“最新動向”

UFSは、これまで何度もバージョンアップを重ね、性能を向上させてきた。

UFS 1.0 1.1 2.0 2.1 3.0 3.1 4.0
リリース日 2011-02-24 2012-06-25 2013-09-18 2016-04-04 2018-01-30 2020-01-31 2022-08-17
1レーンあたりの帯域幅 300 MB/s 300 MB/s 600 MB/s 600 MB/s 1450 MB/s 1450 MB/s 2900 MB/s
最大レーン数 1 1 2 2 2 2 2
最大総帯域幅 300 MB/s 300 MB/s 1200 MB/s 1200 MB/s 2900 MB/s 2900 MB/s 5800 MB/s
M-PHYのバージョン - - 3.0 3.0 4.1 4.1 5.0
UniProのバージョン - - 1.6 1.6 1.8 1.8 2.0

3-1. UFS 1.0/1.1:初期バージョン

2011年に最初のバージョンであるUFS 1.0が、2012年には改良版のUFS 1.1が発表された。

3-2. UFS 2.0/2.1:普及が進んだバージョン

2013年にUFS 2.0、2016年にUFS 2.1が発表され、多くのスマートフォンに採用された。

3-3. UFS 3.0/3.1:高性能化と省電力化

2018年にUFS 3.0、2020年にUFS 3.1が発表され、さらなる高速化と省電力化が実現された。

3-4. UFS 4.0:さらなる高速化を実現

2022年にはUFS4.0が発表。理論上の最大転送速度は、SSDに匹敵するまでになった。

4. UFSの“仕組み”:高速・省電力の“秘密”

UFSが高速・省電力を実現しているのは、以下のような技術が採用されているからだ。

4-1. MIPI M-PHY:高速シリアルインターフェース

UFSは、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)Allianceが策定したM-PHYと呼ばれる高速シリアルインターフェース技術を採用している。

4-2. SCSIアーキテクチャモデル:コマンド処理を効率化

UFSは、SCSI(Small Computer System Interface)アーキテクチャモデルを採用しており、コマンドキューイングなどの機能により、コマンド処理を効率化している。

4-3. Write Booster:書き込み速度を向上

UFS 3.1では、Write Boosterと呼ばれる技術が導入され、シーケンシャルライト(連続書き込み)の性能が大幅に向上した。

4-4. DeepSleep:低消費電力モード

UFS 3.1では、DeepSleepと呼ばれる新しい低消費電力モードが導入され、バッテリー消費を抑えることができる。

4-5. Performance Throttling Notification:パフォーマンス低下を抑制

UFS 3.1では、ストレージの温度上昇などによるパフォーマンス低下を抑制するPerformance Throttling Notificationという機能が導入された。

5. UFSのメリット:モバイルデバイスの“性能”を向上

UFSは、モバイルデバイスの性能を大きく向上させる。例えば、

  • アプリの起動が“速い”
    ストレージの読み込み速度が速いため、アプリの起動が速くなる。
  • 大容量ファイルの読み書きが“スムーズ”
    写真、動画、音楽など、大容量ファイルの読み書きが“スムーズ”に行える。
  • 高画質動画の撮影・再生が“快適”
    4Kや8Kなどの高画質動画の撮影・再生が“快適”に行える。
  • ゲームのロード時間が“短い”
    ゲームのロード時間が短縮され、より“快適”にゲームを楽しめる。
  • バッテリー駆動時間が“長い”
    UFSは、eMMCよりも省電力性に優れているため、バッテリー駆動時間が長くなる。

6. まとめ:UFSはモバイルデバイスの“未来”を担う! “進化”に期待

「UFS」は、従来のeMMCを“凌駕”する高速・省電力なストレージ規格だ。スマートフォンだけでなく、タブレット、デジタルカメラ、車載システム、VR/ARデバイスなど、様々な分野で採用が広がっている。UFSは、モバイルデバイスの“性能”を大きく向上させ、私たちのデジタルライフをより“快適”で“豊か”なものにしてくれるだろう。今後もUFSの“進化”から目が離せない!