モリサワフォントを使っていると、「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」という見慣れない表記を目にすることがあるだろう。これらは一体何なのか、どんな違いがあるのか、疑問に思っている人もいるのではないだろうか。今回は、これらの表記の意味と、それぞれのフォントの選び方について、詳しく解説していくぞ!
- 1. 「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」の“違い”:それぞれの“役割”と“特徴”
- 2. 「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」の“選び方”:用途と目的に合わせて“最適”なものを
- 3. 「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」の“注意点”:互換性や表示について
- 4. まとめ:「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」を“理解”して、モリサワフォントを“使いこなす”!
1. 「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」の“違い”:それぞれの“役割”と“特徴”
「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」は、モリサワフォントのOpenTypeフォントにおける、文字セット(収録されている文字の種類)の違いを表している。
1-1. 「A-OTF」:Adobe-Japan1規格に準拠した“標準”フォント
「A-OTF」は、Adobe-Japan1規格に準拠したフォントだ。Adobe-Japan1は、日本語フォントの業界標準とも言える文字セットで、ビジネス文書からデザインまで、幅広い用途に対応できる。
- Adobe-Japan1は、アドビが定めた日本語フォントの文字セット規格だ。日本語の標準的な文字(漢字、ひらがな、カタカナ、記号など)に加え、一部の特殊文字や記号が含まれている。
- 「A-OTF」フォントは、Adobe-Japan1規格に準拠しているため、日本語の表現に必要な文字を“網羅”しており、ビジネス文書、Webサイト、印刷物など、幅広い用途で利用できる。
1-2. 「U-OTF」:多言語対応の“グローバル”フォント
「U-OTF」は、Unicode規格に準拠したフォントだ。Unicodeは、世界中の文字を統一的に扱うための文字コード規格で、多言語環境での利用に適している。
- Unicodeは、世界中の文字を“統一的”に扱うために策定された文字コード規格だ。日本語だけでなく、英語、中国語、韓国語、アラビア語など、様々な言語の文字を扱うことができる。
- 「U-OTF」フォントは、Unicode規格に準拠しているため、多言語のWebサイトや、グローバル展開する製品のパッケージなど、多言語対応が必要な場面で“真価”を発揮する。
1-3. 「G-OTF」:学参・教育向けフォント
「G-OTF」は、学参・教育向けにデザインされたフォント。
- 「G-OTF」フォントは、主に学校教育や学習参考書など、教育現場での利用を想定してデザインされている。
- 筆順(文字を書く順序)を考慮したデザインになっている。
2. 「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」の“選び方”:用途と目的に合わせて“最適”なものを
「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」のどれを選ぶべきかは、フォントの用途や目的によって異なる。
2-1. 一般的なビジネス文書やデザイン:「A-OTF」
一般的なビジネス文書や、日本語のデザイン制作には、「A-OTF」フォントが“最適”だ。Adobe-Japan1規格に準拠しており、日本語の表現に必要な文字を“網羅”しているため、安心して利用できる。
2-2. 多言語対応が必要な場合:「U-OTF」
多言語対応が必要なWebサイトや、グローバル展開する製品のパッケージなどには、「U-OTF」フォントが適している。Unicode規格に準拠しているため、様々な言語の文字を文字化けなどを起こさずに、正しく表示できる。
2-3. 教育現場や学参フォントが必要な場合: 「G-OTF」
学校教育や学習参考書などには、「G-OTF」フォントが適している。
2-4. 迷ったら?:モリサワのWebサイトで“詳細”を確認
どのフォントを選べば良いか迷った場合は、モリサワのWebサイトで各フォントの情報を確認しよう。文字セットの詳細や、フォントのサンプルなどを確認できる。
3. 「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」の“注意点”:互換性や表示について
「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」のフォントを使用する際には、以下の点に注意する必要がある。
3-1. 文字セットの違い:すべての文字が“表示”されるわけではない
「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」は、それぞれ異なる文字セットを持っているため、すべての文字が表示されるわけではない。例えば、「A-OTF」フォントには含まれていない文字が、「U-OTF」フォントには含まれている場合がある。
3-2. 環境による表示の違い:OSやアプリケーションによって
フォントの表示は、OSやアプリケーションによって異なる場合がある。特に、Webサイトでフォントを指定する場合は、ユーザーの環境によっては意図した通りに表示されない可能性がある。そうなった場合はいわゆる「文字化け」が起きたり、デフォルトフォントでの表示になる。
3-3. Webフォントとしての利用:注意が必要な場合も
「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」フォントをWebフォントとして利用する場合は、ライセンスや技術的な制約に注意する必要がある。
なお、モリサワが提供している有料サブスクリプション「Morisawa Fonts」なら、モリサワの2000を超える豊富な書体が使い放題だ。
4. まとめ:「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」を“理解”して、モリサワフォントを“使いこなす”!
「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」は、モリサワフォントのOpenTypeフォントにおける、文字セットの違いを表すものだ。それぞれの特徴を理解し、用途や目的に合わせて“適切”なフォントを選ぶことで、より“効果的”なデザインや情報伝達が可能になる。今回の解説を参考に、「A-OTF」「U-OTF」「G-OTF」を理解したうえでモリサワフォントを“使いこなし”て、ワンランク上の表現を目指してほしい!