TITAN ARMY P245MS PRO レビュー:1152ゾーンMini LED搭載で5万円台の圧倒的コスパ

TITAN ARMY P245MS PROの製品サムネイル画像

ここ最近、その圧倒的なコストパフォーマンスでシェアを広げている中国のディスプレイブランド「TITAN ARMY(タイタンアーミー)」。そんな彼らが作るMini LED搭載の超コスパゲーミングモニター、それが今回レビューする24.5インチのTITAN ARMY P245MS PROだ。

PCゲームをがっつり遊んでいる人なら、このモニターのスペック表を見た瞬間に二度見、いや三度見することになるだろう。解像度はフルHDより高精細なWQHD。リフレッシュレートは380Hz。そして、1152ゾーンのローカルディミングに対応したMini LEDバックライトと量子ドット技術を搭載している点だ。

それでありながら、このP245MS PROの実売価格はなんと5万円台前半(執筆時点)という、信じられないお値段をしている。今回は、このカタログスペックの「暴力」とも言えるモニターについて、その実力と安さの秘密に迫っていくぞ!

1. スペックの暴力! P245MS PROが常識外れである3つの理由

まずは、本機がいかに狂った(もちろん褒め言葉)スペックをしているのか、その理由を3つのポイントに分けて解説しよう。

1-1. 競技勢待望の「24.5インチでWQHD」という最適解

VALORANTやApex Legendsといった競技系のFPSタイトルをプレイするガチ勢にとって、画面全体を視界に収めやすい24インチから24.5インチというサイズは、長らく絶対的なスタンダードとされてきた。しかし、そのサイズのモニターは解像度がフルHD(1920×1080)止まりであることがほとんどだった。

本機は24.5インチでありながら、より高精細なWQHD(2560×1440)解像度を採用している。画面のドットの密度が高くなるため、遠くにいる敵の頭(数ピクセルしかないような的)がフルHDの時よりもくっきりと視認できるようになる。24.5インチの視認性の良さと、WQHDの情報量を兼ね備えた、まさにFPSプレイヤーの夢のようなパネルなのだ。

1-2. Fast IPSパネルで最大380Hzの超絶スピード

解像度を上げると通常はリフレッシュレートが犠牲になるが、P245MS PROは一切妥協していない。高画質と視野角の広さに定評があるFast IPSパネルを採用しつつ、オーバークロック時には最大380Hzという超高速駆動を実現している。

1秒間に380回も画面が書き換わるその滑らかさは、敵が飛び出してきた瞬間の反応速度を極限まで高めてくれる。応答速度もオーバードライブ時で1ms(GTG)をマークしており、後述する残像低減技術と組み合わせることで、ブレのない完璧なエイム環境を構築できる。

1-3. この価格で1152ゾーンMini LED+量子ドット搭載の衝撃

そして最大の目玉が、バックライトにMini LEDを採用していることだ。画面を1152個の細かいエリアに分割し、それぞれの明るさを個別に制御する(ローカルディミング)ことで、液晶モニターの弱点である「黒の浮き」を克服している。暗い部分はバックライトを完全に消灯させるため、有機EL(OLED)に迫るほどの引き締まった「真の黒」を表現できるのだ。

さらに、発色を劇的に豊かにする量子ドット(Quantum Dot)技術も搭載。この2つの最強の映像技術が5万円台のモニターに載っているというのは、まさに価格破壊以外の何物でもない。

製品の説明が左に、右にモニターに映るトラの画像

正直、はじめてMini LEDを使ったら感動すると思う

2. 開封&外観チェック:実用性重視のフル可動スタンドと充実のポート類

ここからは外観やインターフェースをチェックしていく。

2-1. ゲームに集中できるノングレアとスリムベゼル

デザインはコストカットのポイント……言い換えると、過剰な装飾を抑え、非常にソリッドで実用的なものだ。パネル表面は光の反射を抑えるノングレア(非光沢)処理が施されており、部屋の照明や自分の顔が映り込むストレスがない。ベゼルも十分に細く作られているため、画面への没入感は非常に高い。

付属のスタンドは、ゲーミングモニターとして必要な機能を完全に網羅している。高さ調整(120mm)、上下の傾き(チルト)、左右の首振り(スイーベル)、そして画面を90度回転させるピボットにまで対応している。もちろん、標準的なVESAマウント(100×100mm)にも対応しているので、好みのモニターアームを後付けすることも可能だ。

製品を正面から撮影した画像。画面には何も映っていない

コストカットの副産物とはいえ、シンプルなほうが好きかも

2-2. HDMI 2.1×2搭載。最新コンソール機にもバッチリ対応

背面の入力端子も非常に優秀だ。DisplayPort 1.4が1基に加えて、HDMI 2.1ポートを2基搭載している。

PCをDisplayPortで接続して最大380Hzで回すのはもちろんのこと、PlayStation 5やXbox Series Xなどのコンソール機をHDMI 2.1で接続すれば、1440p出力で120Hzの高フレームレートや、画面のズレを防ぐVRR(可変リフレッシュレート)機能もしっかりと活用できる。PCと家庭用ゲーム機を両方ガッツリ遊ぶユーザーにとって、このインターフェース構成は非常にありがたい。

3. 実機で体感する画質とスピードの融合

では、実際にゲームや動画を映し出して、そのパフォーマンスを検証してみよう。

3-1. 競技FPSでの圧倒的アドバンテージと黒挿入技術「DyDs TECH 2.0」

まずは競技系FPS。WQHD解像度による索敵のしやすさと、380Hzのヌルヌルとした滑らかさの相乗効果は凄まじい。視点を高速で振っても背景がぼやけず、敵の輪郭をはっきりと目で追うことができる。

さらに本機には、TITAN ARMY独自の「DyDs TECH 2.0」という機能が搭載されている。これは、フレームの間に真っ黒な画面を挟むことで残像感を消し去る黒挿入技術(BFI)と、可変リフレッシュレート(Adaptive Sync/VRR)を同時に有効にできるという優れものだ。通常、黒挿入とVRRは排他利用になることが多いが、本機ではその両方の恩恵を受けられるため、画面のティアリング(ズレ)を防ぎつつ、極限までブレのないクリアな視界を手に入れることができる。

機能が表としてまとめられている。ゲームクロスヘア、タイマー、ホークアイズームなど。

ゲーム支援機能もいろいろある

3-2. DisplayHDR 1000の暴力的な輝度と深い黒の表現力

次に、Mini LEDの真骨頂であるHDR対応の美麗なアクションゲームをプレイしてみた。

本機はVESAの最高峰クラスであるDisplayHDR 1000相当の性能を持っており、ピーク輝度は最大1000nitsという圧倒的な明るさを誇る。太陽の眩しさや爆発の閃光が、文字通り目を細めるほどのリアリティで目に飛び込んでくる。そして、1152分割のローカルディミングによって、暗闇の部分はしっかりと沈み込んだ黒を保っている。光と影のダイナミックなコントラストは、一度体験すると普通のIPSモニターには戻れなくなるレベルの没入感だ。

3-3. クリエイターも納得の広色域(DCI-P3 99% / Adobe RGB 99%)

量子ドット技術の恩恵は、色域の広さにも表れている。公式スペックでDCI-P3 99%、Adobe RGB 99%、sRGB 100%という、プロのクリエイター向けモニターと同等の色再現性を誇る。

工場出荷時にキャリブレーション(色調整)が行われており、色の誤差を示すΔEが1未満という非常に正確な状態で手元に届く。ゲームの合間に写真の現像や動画編集を行うようなハイブリッドなユーザーにとっても、これ以上ないほど頼もしい相棒になるだろう。

4. 弱点はある? 購入前に知っておくべきポイント

ここまで絶賛してきたが、購入前に理解しておくべき割り切りポイントや、Mini LED特有の癖も存在する。

4-1. スピーカーとUSBハブは非搭載

徹底的なコストダウンを図るためか、本機には内蔵スピーカーとUSBハブ機能が搭載されていない。

とはいえ、このクラスのモニターを買うようなゲーマーは、すでに良質なヘッドセットや外付けのPCスピーカーを持っていることがほとんどだろう。USB機器も直接PC本体に繋げば済む話なので、この機能の省略で価格が下がるなら大歓迎というユーザーが大半なはずだ。音声出力用の3.5mmイヤホンジャックは用意されているので、ゲーム機の音をヘッドホンで聞くことは可能だ。

4-2. Mini LED特有の「ハロー現象」との賢い付き合い方

Mini LEDモニターの宿命とも言えるのが「ハロー(Halo)現象」だ。真っ暗な背景の中に小さな明るいオブジェクト(例えばマウスカーソルや星空など)がある場合、その部分のバックライトだけが点灯するため、光の輪が滲んだように見えてしまう現象のことだ。

1152分割という細かい制御を行っていても、完全にゼロにすることは難しい。ゲームや映画を見ている時はほとんど気にならないが、Excelなどの事務作業やWebブラウジングなど、テキストベースの静的な画面を見ている時は少し違和感を覚えるかもしれない。日常の作業中はOSDメニューからローカルディミングを一時的にオフにするなど、コンテンツに合わせた設定の切り替えを行うのが、このモニターを賢く使いこなすコツだ。

5. 総評:FPSガチ勢からグラフィック重視派まで、全員の最適解になり得る傑作

TITAN ARMY「P245MS PRO」のレビューをお届けした。

24.5インチという取り回しの良いサイズに、WQHDの精細さ、380Hzのスピード、そしてMini LEDと量子ドットによる圧倒的な映像美。これらすべてを盛り込みながら5万円台という価格は、モニター市場の勢力図を塗り替えるほどのインパクトを持っている。

競技系FPSでコンマ数秒の勝利を追い求めるガチゲーマーから、最新のAAAタイトルを極上のグラフィックで堪能したいエンジョイ勢、さらにはクリエイティブ作業もこなしたい欲張りなユーザーまで、幅広い層にとって「これを選んでおけば間違いない」と言える最強の選択肢だ。

PCのグラフィックボードを新調したけれどモニターがフルHDのままでボトルネックになっているという人は、ぜひこのバケモノ級のコスパモニターを導入して、次世代の映像体験へと足を踏み入れてみてほしい!