「Wi-Fi 7」は本当に必要? “オーバースペック”にならないための賢い選択

最新の無線LAN規格「Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)」。「Wi-Fi 6」を大きく上回る“超高速”通信という売り文句に、魅力を感じている人も多いだろう。しかし、ちょっと待ってほしい。Wi-Fi 7は、本当に“今”必要なのだろうか? 今回は、Wi-Fi 7のメリットとデメリットを検証し、一般家庭において本当に必要なのかどうかを、冷静に分析する。

1. Wi-Fi 7の“ここがスゴイ”! “規格上”のメリットをおさらい

まずは、Wi-Fi 7の“スゴさ”をおさらいしておこう。

1-1. 最大速度は“46Gbps”! Wi-Fi 6の“約4.8倍”の“超高速”通信

Wi-Fi 7の最大通信速度は、なんと“46Gbps”。これは、Wi-Fi 6の最大速度9.6Gbpsの“約4.8倍”に相当する。“規格上”は、とてつもない速度だ。

1-2. “320MHz”の帯域幅で“通信効率”が大幅アップ

Wi-Fi 7では、Wi-Fi 6の2倍となる、320MHzの帯域幅を利用できる。帯域幅が広がることで、一度に大量のデータを送受信できるようになり、“通信効率”が大幅に向上する。

1-3. 「MLO」で“複数帯域”を同時利用、安定性も向上

Wi-Fi 7の目玉機能の一つが「MLO(Multi-Link Operation)」だ。これは、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯などの複数の周波数帯を同時に利用する技術。これにより、通信の“安定性”や“信頼性”が向上する。

2. Wi-Fi 7の“落とし穴”:一般家庭には“オーバースペック”な理由

しかし、Wi-Fi 7には“落とし穴”もある。

2-1. 対応機器が“まだ少ない”! ルーターも子機も“高価”

Wi-Fi 7に対応したルーターや子機(パソコンやスマートフォンなどのWi-Fi受信機器)は、まだ“ほとんど”販売されていない。販売されている製品もまだ非常に“高価”だ。

2-2. “宝の持ち腐れ”!? 46Gbpsを活かせるコンテンツが“現状”ほぼない

Wi-Fi 7の最大速度46Gbpsは、確かに魅力的だ。しかし、現状、この速度を活かせるコンテンツやサービスは、ほとんど存在しない。多くのユーザーにとって、Wi-Fi 7は“宝の持ち腐れ”となる可能性が高い。

2-3. 日本では“6GHz帯”の屋外利用は“現状”不可! せっかくの性能を“フル”に発揮できない

Wi-Fi 7では、新たに6GHz帯の周波数帯を利用できる。しかし、日本では現在、6GHz帯を屋外で利用することは認められていない。また、屋内利用に関しても、帯域に法令で制限が掛けられているだけでなく、対応機器の普及もこれからの状況だ。したがって、現時点では、Wi-Fi 7の“フルスペック”を活かすことは難しい。
また、多くの家庭に引かれている程度の回線の速度であると、そちらがボトルネックになってしまい、せっかくのWi-Fi 6に対する速度の優位性もなくなってしまう。

3. Wi-Fi 6で“十分”!? “現状”のインターネット環境を“再確認”

3-1. 多くのユーザーにとって、Wi-Fi 6の速度で“不足なし”

現状、多くのユーザーにとって、Wi-Fi 6の速度で“十分”だ。4K動画のストリーミングや、オンラインゲームなど、一般的な用途であれば、Wi-Fi 6で“快適”に利用できる。

3-2. 光回線の速度を“最大限”引き出せる!

Wi-Fi 6の最大通信速度は9.6Gbps。これは、一般的な光回線の速度(1Gbps~10Gbps)を“十分”にカバーできる速度だ。つまり、Wi-Fi 6なら、光回線の性能を“最大限”に引き出せる。

3-3. Wi-Fi 6対応ルーターは“価格”も“こなれて”きている

Wi-Fi 6に対応したルーターは、すでに多くのメーカーから発売されており、“価格”も“こなれて”きている。Wi-Fi 7対応ルーターと比べれば、“圧倒的”に安価だ。

4. Wi-Fi 6からWi-Fi 7への“乗り換え”は“得策”か?

4-1. “現状”では、Wi-Fi 6で十分! コストパフォーマンスを考えればWi-Fi 6が“上”

現時点では、一般的な家庭でWi-Fi 7のメリットを享受できるシーンは“ほとんどない”。多くのユーザーにとって、Wi-Fi 6で“十分快適”なインターネット環境を実現できるだろう。コストパフォーマンスを考えれば、Wi-Fi 6が“賢明な選択”と言える。

4-2. Wi-Fi 7対応機器の“普及”と“価格”の動向を“注視”

Wi-Fi 7対応機器は、今後“徐々に”普及していくと予想される。しかし、対応機器が“手頃な価格”で入手できるようになるまでには、まだ時間がかかるだろう。

4-3. “将来”への投資? Wi-Fi 7は“時期尚早”か

Wi-Fi 7は、確かに“魅力的”な規格だ。しかし、現時点では、その性能を活かせる環境が整っていない。Wi-Fi 7への“乗り換え”は、“時期尚早”と言わざるを得ない。

5. まとめ:Wi-Fi 7は“未来の規格”! 現状ではWi-Fi 6で十分快適、賢く選んで“無駄"をなくそう

Wi-Fi 7は、最大46Gbpsの“超高速”通信を実現する、“未来の規格”だ。しかし、現時点では、対応機器の少なさや、価格の高さ、そして、その速度を活かせるコンテンツの不足など、多くの“課題”を抱えている。“現状”では、Wi-Fi 6で“十分快適”なインターネット環境を実現できる。Wi-Fi 7の動向は“注視”しつつも、“目先の速さ”に惑わされず、自身の環境に合った“最適な選択”をすることが重要だ。Wi-Fi 7は、まだ“一般家庭”にはオーバースペック。「宝の持ち腐れ」にならないよう、“賢く”判断しよう!