「IPX6」は“どこまで”防水? お風呂での使用“OK/NG”ラインを解説

お風呂でイヤホンをつけている人

お風呂で音楽を聴いたり、動画を見たりしたい。そんな時、防水性能を備えたイヤホンやスピーカーなどのガジェットがあると便利だ。しかし、製品の仕様欄に書かれている「IPX6」などの防水規格、一体どのくらいの防水性能があるのか、よく分からないという人もいるだろう。今回は、この「IPX6」の防水性能について、お風呂での使用は可能なのか、注意点なども含めて詳しく解説していくぞ!

1. 防水規格「IPX」とは?:数字が“意味”するもの

IPX6のロゴ

「IPX」とは、IEC(国際電気標準会議)が定める防水性能に関する規格だ。

1-1. 「IPコード」:防水・防塵性能を表す“国際規格”

「IPコード」は、電気製品の筐体が、外部からの固形物(粉塵など)や水の侵入に対してどれだけ保護されているかを示す国際規格だ。「IP」の後ろに続く2桁の数字で、防塵性能と防水性能を表す。

1-2. 「IPX」の後ろの数字:防水性能の“等級”

防水性能は、「IPX」の後ろに続く数字(0~8)で表され、数字が大きいほど防水性能が高いことを意味する。

1-3. IPX0からIPX8まで:数字が大きいほど“防水性能”が高い

IPX規格の防水性能の目安をまとめたのが、以下の表だ。

等級 内容
IPX0 保護されていない
IPX1 垂直に落ちてくる水滴による有害な影響がない
IPX2 垂直より左右15°以内からの降雨による有害な影響がない
IPX3 垂直より左右60°以内からの降雨による有害な影響がない
IPX4 あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない
IPX5 あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない
IPX6 あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない
IPX7 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない
IPX8 継続的に水没しても内部に浸水することがない

2. 「IPX6」の防水性能:どのくらいの水に耐えられる?

水滴のついたイヤホン

「IPX6」は、「あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない」というレベルの防水性能を持つ。

2-1. 「あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない」

「IPX6」の試験では、内径12.5mmのノズルを用いて、約3mの距離から毎分100リットルの水を3分間以上、あらゆる方向に強く噴射しても、機器の内部に浸水しないことが求められる。

2-2. 具体的には?:シャワーはOK? 水没はNG?

「IPX6」の防水性能があれば、シャワーを浴びる程度の水圧には耐えられる。しかし、水中に沈めたり、長時間水にさらしたりすることは想定されていない。

3. IPX6防水ガジェット、お風呂での使用は“自己責任”!

「IPX6」の防水性能があれば、シャワー程度の水圧には耐えられるが、お風呂での使用は、メーカーが推奨している場合を除き、”自己責任”となる。なぜなら、以下のようなリスクがあるからだ。

3-1. シャワーの水圧:メーカーの“想定”を超える場合も

シャワーの水圧は、機種や設定によって異なる。メーカーが想定している以上の水圧がかかると、機器の内部に浸水する可能性がある。

3-2. 水温:高温のお湯は“NG”

高温のお湯は、機器の防水性能を劣化させる可能性がある。

3-3. 入浴剤:成分によっては“悪影響”も

入浴剤の成分によっては、機器の防水パッキンなどを劣化させ、防水性能を低下させる可能性がある。

3-4. 湿度:湯気による“内部結露”の可能性

お風呂場は湿度が高いため、機器の内部で結露が発生し、故障の原因となる可能性がある。

3-5. 経年劣化:防水性能は“低下”する

防水性能は、経年劣化によって低下する。

4. お風呂で“安全”に音楽を楽しむための“注意点”

シャワーを浴びながらスマホを使う人

お風呂で防水ガジェットを使う場合は、以下の点に注意しよう。

4-1. メーカーの取扱説明書を“よく読む”

メーカーの取扱説明書をよく読み、お風呂での使用に関する注意事項を確認する。

4-2. 長時間、高温多湿の環境での使用は“避ける”

長時間、高温多湿の環境で使用すると、機器の故障の原因となる可能性がある。

4-3. 使用後は“しっかり乾燥”

使用後は、機器に付着した水分をしっかりと拭き取り、乾燥させる。

4-4. “異変”を感じたら、すぐに使用を中止

機器に異変を感じたら、すぐに使用を中止し、メーカーに問い合わせる。

5. お風呂で使える“完全防水”イヤホンはある?:「IPX7」以上が“おすすめ”

お風呂で完全に水没させて使いたい場合は、「IPX7」以上の防水性能を持つ製品を選ぶことをおすすめする。「IPX7」は、「一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない」というレベルの防水性能を持つ。

6. まとめ:IPX6はお風呂で“使える”可能性はあるが、“自己責任”で!

「IPX6」の防水性能は、シャワー程度の水圧には耐えられるが、お風呂での使用は、メーカーが推奨している場合を除き、”自己責任”となる。お風呂で防水ガジェットを使う場合は、水温、シャンプー・ボディソープ、入浴剤などに注意し、”慎重”に利用してほしい! そして、もし不安があるなら、「IPX7」以上の防水性能を持つ製品を選ぶことをおすすめするぞ!IPX規格の防水性能を理解して、 “快適”なお風呂タイムを!